無価値
母に捨てられた日を思い出した
施設にあずけられたわけじゃない
衣食住に困ったわけでもない
ただ知らない男と出ていっただけ
自殺未遂をして引き取られたけれど
母に暴力をふるってたそいつを
刺し殺しそうだったから
精神病院に連れていかれて
家を追い出された
ずっと
ひとりだった
『過去を忘れて成長しろ』と母は言う
うんざりした顔
通りすがりのホームレスを見るときの顔
わたしはまた捨てられる
今日は燃えるゴミの日だったわねって
外出するのか車で男を待たせてる
ゴミ捨て場から去っていく背中
綺麗な服を着てるんだ
チクタク、チクタク、
時計がまわる
チクタク、チクタク
チクタク、
チク、
タク、
チク、
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